048
狂気

沢山の華に囲まれて、沢山の蟲に囲まれる。
そんな、私の毎日。

沢山の可愛い友人。沢山の素敵な悪友。
私は、そんな人達と毎日を過ごしている。

でも其れは、私の空想であり、妄想にしか過ぎなくて。
本当は、常に、只独り。
好んで独りで居る訳じゃない。
むしろ、本当は沢山の友人の傍に居たい。
だけど、其れはもう叶ことはなくて。

可愛くて、素敵な友人達は、私が殺してしまったのだから。
大人の策略に、踊らされて。
そんな事は、判っていた筈なのに、私は殺した。
狂っていた。狂わなければ私が死んでいた。殺されていた。

私は、独り殺すとたちまち殺人兵器と化した。
何でも良かった。誰でも良かった。只、何かを壊したかった。
其れは、自らを守る為の唯一の手段だったから。

沢山の友人達は、私の狂った心に殺された。
私もまた、私自身の狂った心に殺された。

生きながら屍になり、ずっと心の中を彷徨っていた。
そんな事が絶えられなくなって、私は私を殺した。
今度は、私自身の素直な心で。
可愛い友人たちを殺した時と同じように、銃と1つの弾丸で。

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© 2005 Uri.