052
思い出
君と行ったあの浜辺や、あの小さな店。
美しい土地、美しい思い出。
僕はもう、そこには行けない。
美しい思い出は、すでに苦しい思い出になってしまったから。
君と別れてから、君と2人で行った場所へは行けずにいる。
行ってしまったら、僕は壊れてしまいそうな気がして。
きっと、立ち直れなくなってしまうから。
君との美しく、苦しい思い出に溺れてしまう。
僕は、一度も君に勝てなかった。
君は、僕の言うことなんて聞いてくれなかったね。
ただの一度も。
だけど、それでも構わない。
構わないから、僕のもとへ戻ってきて。
君は小さな存在の筈なのに。
僕にとっては、とても大きな存在で。
消えてはならない存在だった。
君が逝ってしまったが最期、僕はもう やる事もなくて、何も手に付かなくて。
僕のしたコトを許して下さい。
僕の犯した罪を赦して下さい。
ただ、僕は君に勝ちたかった。
それだけだったから。
それだけで僕は__君を___。
御免ね。
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© 2005 Uri.