063
書。

君の耳に開いた、3つの穴。
其れは、「死」と向き合い、戦った証。
そして、もう一つの戦った証。 左腕。
カッター、メス、包丁、剃刀。沢山の刃物で傷付けられた腕。
何度縫ったことだろう。
何度血抜きしたことだろう。
オーバードーズも沢山やった。
スニフだって、沢山やった。



「死にたい」と願い、死ぬことを望み、「死」を持て余す。



何度やっても死にきれず、此の世に留まる。
本当は、こんな所に居たくなんかないのに。
本当は、こんな世の中如何でもいいと思っているのに。

厭な事だらけで、毎日泣いて。
不安定でどうしようもなくて。
僕は君を止めることが出来なった。
止めることなんて出来なかったのかもしれない。
結局僕は力不足で。何も出来なくて。


君の為に何が出来たのか。
きっと、不安の要素を増やしただけだったのだろう。
君の耳に開いた3つの穴は、君が戻ってきた証。
其れでも君は、3つでは足りない程自害しようとしていた。
切って、絞めて、飲んで、飛び降りて・・・。



最期に君を見たのは何時だったのだろう。
君に逢ったのは。話したのは。
君ともっと話したかった。一緒に考えたかった。
君と云う、掛け替えの無い存在のことを。
きっと、僕では力になれなかったんだ。
僕の言った言葉が、君を不安の底へと落としていたのだろう。





御免。
何も出来なくて。解ってあげられなくて。


君が好きでした。


今から僕は、君と同じ方法で、同じ処へ逝きます。
そんな僕を 赦して下さい。

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© 2005 Uri.