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生活

甘ったるい音楽が、私の耳に纏わり付く。
うざったい。



何でこんなにも甘いのか。私の周りは、苦くて大変だと言うのに。
辛くて、苦くて、辛くて、苦しくて。
でも。在り得ないからこそ憧れる。出来ないからこそ、羨んでしまう。

甘い、甘い生活。甘い音楽に包まれた、甘い、甘い生活。
甘い音に包まれて、倖せでいっぱいの生活。きっと色は、淡いピンク。

私の生活は、苦くて汚いもので溢れている。
何で満たされているのか、其れすらも解らない。
私の色は、甘い淡いピンクと違って、赤く、どす黒く渦巻く、禍禍しいもの。
甘い綺麗なモノにはなれない。悔しさと寂しさと切なさで溢れている。
どんなに愛しいと思っても。どんなに甘い生活を望んでいても。
私には出来ない。無理なこと、無駄なこと。


私の生活は、ピンクには程遠い、禍禍しく渦巻いた赤と黒。
其のうち、赤は真紅へと変わり、黒へと変化する。
誰もが羨む、ピンクとは程遠い、私の黒く、赤い生活。


何時になったら変えることが出来るのだろう。何時になったらこの色から離れられるのだろう。
この禍禍しい紅と黒の渦から。



きっと、抜け出す方法はある。しかし私には 出来ない。



方法はあっても、何処かで止めてしまっている。
此の儘の生活で在りたいと。 此の儘の黒く、紅い私で在りたいと。
心の何処かで此の状況を望んでいる。


其の心を止めない限り、私の生活は苦くて汚いもので溢れる、黒く紅い色の儘。
此の儘の紅く黒い生活で、私は私を見つけ、私を殺し、私と生きる。

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© 2005-2006 Uri.