080
kiss

教室の窓から見えた夕焼けが、とても綺麗だった。

初めて君とキスしたのは、教室だった。
夕焼けで、2人とも顔が紅く染まっていたね。
夕焼けの所為だけではないけれど、
とても素適なキスだった。


放課後、何の気もなしに教室に残った僕らは、とても自然にキスをした。
とても温かいものだった。美しいものだった。
それから僕らは、手を繋いで帰った。

いつもの場所で別れて、
いつもの時間に、いつもと同じようにメールをした。
只、1つ違っていたのは、君から送られてくるメールが何時もよりも暖かかったこと。

今日の星は、いつもより綺麗に見える。

帰り際、そんな事を言った君は、今迄で一番綺麗に見えた。


そして僕は、君を呼び出した。
君と初めてデートした、あの場所へ。
そして、どちらからともなく、キスをした。

優しい、星のようなキスを。

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